“持続可能な生活”のために、できること。

コラム

“持続可能な”という言葉をよく見聞きしますが、それはこれまで発展させてきた社会や生活の在り方が問われているということ、物ではなく“知恵”を使ってより豊かな生活を実践するためのチャンスが訪れている、ということではないかと思っています。
私のイメージする「持続可能な生活」とは、“自然の循環の中に生きる”ということで、それは人も自然も動物も健やかに、誰にも無理をさせない穏やかな世界に生きることを意味しています。

私自身は日々の暮らしの中で、食べ物はできる範囲で自給し、なるべく素材から揃えて食事を作り、洗剤類はごく少量で済ませられるようになど、小さな実践を重ねています。衣類などの布製品は“ウエス”として最後まで利用したいので、化繊よりも綿や麻のものを選びます。畑作業で使う麻の紐はエコたわしを編むのにぴったりです。買い物は、自分が支払ったお金がその先どんなことに使われているのかを考えて、未来の選択肢が広がるような企業を選ぶよう意識しています。

こんな風に伝えると「こだわっているんだね」と言われることがありますが、一生に一度きりの命です。しかもその命にはたくさんの“それ以外の命”が関わってくれて、成り立っています。だからこそ出来ることは素通りせずに、大切に考えて実践したいのです。

すこし余談ですが、私の憧れる生活はまだ物が少なかった昭和初期頃のイメージが近いかもしれません。祖母の家から出てくる手作りの服、手ぬぐいで作られたブラジャーやショーツにはとても感動しましたし、興奮しました(いやらしい意味ではありません 笑)。お豆腐屋さんへはお鍋を持って、八百屋さんへは使い勝手のいい買い物かごを下げて行って、季節の野菜の話をして…。想像するだけで楽しい生活です。

だけど一方で、「持続可能な生活」の在り方は人それぞれで良いし、完璧でなくて良いと思っています。無理をして生活自体を続けることが心地良くなくなってしまえば、それがすでに持続可能ではないと思うからです。

どんな生活を選んだとしても、日々の暮らしの中で得た気づきを大切にしながら実践し、あらゆるものに愛を配って生活していく。お金や物は使えば減りますが、愛は減ることはありません。家族へ、恋人へ、自分へ。配った分だけ還ってくる。それがきっと明日への生きる活力へと繋がり、“持続可能な生活”を築いていくのではないでしょうか。

※この記事は2020年6月に書かれたものを編集しています。

書き手・佐久間陽香

佐久間陽香

福島県三春町生まれ、中島村在住。『ff -私たちの交換日記』コラム担当。自然とともに身の丈に合った生活を楽しみながら、夫と息子と猫二匹とで、おばあさんの残し...

プロフィール

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA