ヘチマたわしから教わる、“悠々自適”な暮らしのヒント
毎日使いに心地良い“スポンジ”を求めて
食器洗いは毎日のことなのに、使っているスポンジは特に気に入ってもいないものを使い続けていて、傷んでは買い替えてを繰り返してきました。消耗品だから、できるだけ安いものをと思って試してみるのですが、そういったものは結構使い勝手が悪かったりします。ゴミになってしまうものを買い続けるのはやめにしたい!毎日触るものなら心地よく快適に使いたい!そんな思いでスポンジ選びを見直し始めました。
素材は触って心地よく、土に還りやすいものに絞って、買って試してみたり自作してみたり。私が試したのは、麻紐製のもの、セルロース製のものなどでした。家にある綿や麻の布でスポンジサイズの雑巾を作り、それを使ってみたこともあります。
どれも使い心地は悪くなかったのですが、水切れが良くなかったり、毎日使うのには傷みが早かったりして、結局頻繁に買い替えたり作り直さなければならないループにはまってしまうという結果に…。
毎日使う食器洗いのスポンジ選び、納得のいくものと出合うのがこんなに険しい道のりなのかと心折れそうになっていたとき、偶然寄った道の駅に置いてあったのが一本丸ごとの「ヘチマたわし」でした。
それまで私の中でのヘチマたわしは、どちらかと言うと身体をゴシゴシ洗うイメージが強く、「すぐヘタってしまうのでは?」と、食器用スポンジとしての力を疑っていました。しかし、なぜだかそのとき出合ったヘチマの姿にどうにも惹かしれてまい、思わず購入したのです。
自然とともに自分らしくあるための、“ヘチマたわし”
一本丸ごとのヘチマをカットするのが惜しくてしばらく鑑賞していましたが(笑)、いざスポンジとして使ってみたところ、軽い汚れならば洗剤を付けなくても綺麗に落ちるし、洗剤の泡立ちも問題なし。何より水切れの良さが抜群ということが発覚しました。雑菌が気になる場合は熱湯消毒も可能です。ただし、薄くカットしてしまうと繊維が潰れやすくなって扱いにくくなってしまうので、5センチほどに厚く切って使うのがポイントです。好みの厚さでカットできるのも、丸ごと一本の良さですね。我が家では食器洗いのほか、お風呂の浴槽や洗面台磨きにも重宝しています。
今年はスポンジのストックを確保するために、自分でヘチマを育て始めました。初めての挑戦だったので不安でしたが、無事しっかりと育ち、最近ではいくつか実もつけてくれるまでになりました。午前中に咲く黄色い花を見るのが、毎日の楽しみになっています。
ヘチマの花言葉は「悠々自適」だそうです。悠々自適とは、自然に順応し、世の中の煩わしさから離れて静かにゆったりと自由に暮らしていること。そんな花言葉を持つヘチマだからこそ、あのとき道の駅でなぜか惹かれてしまったことも、妙に納得してしまいました。
「自分らしく、自然とともに暮らしたい」
情報も物も溢れかえっている毎日、油断するとそれらに飲み込まれてしまいそうな感覚になりますが、焦らず自分のペースで人生の歩みを進めていきたいと、悠々とぶら下がるヘチマを眺めながら思っています。
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